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母べい

優しさも悲しみも抱いて生きて行く
母べいをやっと観た。
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丁度日程が空いていると体調が悪かったり、天気が悪かったりでなかなか行かれなかった。
一言で言うなら老若男女とわず「皆さん是非ご覧になってください!」本当に観て良かったと感じる映画だと思いました。

私の母世代より少し上の世代だと思う“母べえ”を主人公に戦前の日本の家族とその生活、戦争を聖戦と呼ばされて反対する人は罪人として逮捕される時代。
治安維持法によって冬の早朝に“父べえ”が逮捕されてから、3年後の暮に獄死するまでの残された家族の生活とその後第2次世界大戦で犠牲になった、父べえの教え子で家族の協力者だった“山ちゃん”の優しさを描いている。
その時代の暮らしと母親の静かで強くやさしく、周囲の暖かさも加わり、物のない時代だけれど心温まるつながりを感じる映画だった。

現代は物であふれ、洗濯一つ取っても便利になり楽になり、その分時間は出来たが若い母親たちは外へ働きに出て子供との接点が密ではなくなった。子供と目線を合わせる事もすれ違いの生活では疎かになっているのではないだろうか。

丸いちゃぶ台を囲んだ一汁一菜の家族揃った食事風景は今はない。
手抜きの冷凍食品で食卓を飾るより、体の事を考えて旬の材料を使った食事の方が体にも良いだろうし、暖かい食卓が家族の原点ではないだろうか。

近頃食品の偽造や毒入り冷凍食品が問題になっているが、自給率40%をきったという日本そのもの、家族も随分変わってしまった。
現代の“母べえ”様、食洗器や洗濯機で出来た空き時間は子供の話を聞いてあげる、本を読んであげる、抱き締めてあげるなど子供との信頼関係を築く時間に当てていただきたいと映画を観てつくづく感じました。
by ymere | 2008-02-15 16:59 | 映画

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