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「天国までの百マイル」文化座

原作:浅田次郎 脚本:八木柊一郎 演出:原田一樹
あらすじ
[バブル期何億ものお金を動かして華やかな生活をしていた主人公が崩壊後、会社、金、妻子も失いくすぶった生活を送る。そんなとき女で一つで4人の子供を育てた母親が重度の心臓病で入院。兄弟も高名な医師も見放した母の命の奇跡を信じて、東京武蔵野から千葉県の(天才的な心臓外科がいる)鴨川(芝居上は鴨浦)まで百マイルの道のりをおんぼろワゴン車でひたすら走る。]

回想場面を織り交ぜ、一つの舞台をうまく使って演じられていた。出演者の方のお話にもありましたが、演出が素晴らしい。
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マイル(mile : 哩)
1マイル=1760ヤード=約160km=約40里
100マイルを東京起点にすると静岡県由比・興津駅間、栃木県那須塩原・黒磯駅間だそうです。


お金はなくては困るが、ありすぎると人生狂うーーー
えてしてお金がある人ほどけちじゃないかと思うことがある。
商社マン、医者、銀行員の妻になっている兄姉たちも財力はあっても忙しさを理由に病院にも顔を出さない。
「ボクはろくでなしだけど、ひとでなしではない!」と叫ぶ安男の言葉が印象的でした。
主人公(安男)を見返りを求めずひたすら愛し援助するマリのような人がいるのだろうか。

健康で長生きは良いけれど、痴呆が出たり片麻痺になったりすると介護が必要になってくる。介護したくても出来ない、費用もかかるなど誰にでもおこる身近なテーマだから、終わった後考えさせられる。

愛されることは幸せじゃないけど、愛することって、幸せーーーとパンフレットに書いてあった。
私は出来るとき愛は与え、お金は生きているうちに使うほうが良いと日ごろ思っている。

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終演後主な出演者と懇親会がロビーであった。出演者にも親の介護問題を抱えていらっしゃる方もあり、観客からは「これを観て明日からまたがんばれそう」との感想も出ていました。
2時間半の演劇終了後でお疲れでしょうが、始終にこやかな丁寧な応対でした。
by ymere | 2006-09-03 21:56 |

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