舟を編む

2012年本屋大賞第1位、三浦しをん著の同盟小説を読み、いまどき珍しい主人公(馬締光也)やその周りに登場する関係者を勝手に想像していたので、映画ではどうなるのか興味があった。
(キャストは意外にぴったり・・・)
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辞書編集部を定年退職する荒木が第1営業部で探した馬締(入社3年目の院卒・名前もマジメというが「まじめ」があだ名の真面目な男)。
↑ の箱がずらりと並ぶ部屋が辞書を作るにあたって最初にする用例採集(言葉集め)カードを補完するところ。
カタカナ語、造語、新語(流行語)や若者言葉、「ら」抜き言葉など時代に即した言葉をカードに書き、辞書に加えていく。(とにかく気が付いたらメモ書きする)

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(↑ 拡大して見られます)
辞書つくりに最初からかかわっていらした監修者・松本先生(大学の教授職を辞し、辞書編集ひとすじ、弟子もとらず学園からも距離を置いてひたすら“言葉”に身を捧げた一生)は玄武書房の『大渡海』完成を待たず1か月前に亡くなったのは馬締には本当に悔やまれる残念なラストだった。

先生が大学で教えていたころから一緒に辞書づくりに携わり、定年後も編集部に顔を出していた荒木に、亡くなる前先生が遺した手紙。
「・・・(略)荒木君、一つだけ訂正します。君の様な編集者には2度と出会えないと言ったが、あれは間違いだった。君が連れてきたまじめさんのおかげで私は再び辞書に邁進することができたのです。本当によかった。感謝という言葉以上の言葉がないか、あの世があるなら用例採集するつもりです。・・・(略)」

特注の用紙は印刷会社の開発部と技術部が1年前にははじめる。
(注)本によると辞書に使う紙は薄く・軽く・文字の裏写りがなく・手に感じるぬめり感(指に吸い付くようにページがめくれ、紙同士がくっついて複数ページが同時にめくれてしまうことがない)が条件。

辞書つくりは用例採集から始まり、用紙開発、装丁、発売までのたくさんの方の手を経て地道な努力の連携と連続、10年20年かけて制作されているのだということを知る。

文字が小さくて老眼の身には電子辞書やPC頼りにしていて辞書を引くことから遠ざかっていたが、改めて辞書の重みを考えさせられた。
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by ymere | 2013-04-23 16:16 | 映画

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